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至高のWordPressテーマを求めて

数多くのドラマを生んだWordPressテーマTCD。

本サイト「TCD GALLERY」では開発者やスタッフにしかわからない裏側を語りたいと思う。決して販売ページやメールマガジンでは語られることのない裏側の小噺だ。言ってみれば仲間内で「この時はこうだったな、あれは大変だったな」と思い出にひたるような内輪の話をやってるだけだ。だから、残念な反応もあるだろうし、中にはおもしろいと思ってくれる人もいるかもしれない。ただ、この小噺をすることで、2010年のリリースから至高のWordPressテーマを求める旅を続けているTCDのありのままの姿が浮かび上がってくるんじゃないかという狙いもある。興味がある人がいるのかいないのかという問題は気にせず更新していきたい。

本サイトの構成は、テーマの各詳細ページでスタッフが書いた裏話とともにデモサイトの紹介を行っている。このサイトを起ち上げた一番最初の経緯としては何も小噺をしたいからではない。デモサイトの一覧ページがほしいというのが本来の理由だ。実はオフィシャルのTCDサイトには販売ページの一覧はあるが、デモサイトの一覧はないのだ。我々の大切な作品を見やすいように飾るサイトはないものかということでつくったのが「TCD GALLERY」なのだ。

しかし、あれだ。この文章を書いているのは2018年9月だが、もう8年以上も同じことをやっているのだ。当然ムーバブルタイプ全盛の頃からWordPressを使っているので、その期間を入れると相当長い。WordCampでスピーカーをやっている人たちの中に混ざってもきっとベテランクラスなのである。だが、未だWordCampからはお声がかかったことはない(笑)。まぁ冗談はよしとして、彼らとはやり方は違っても、「WordPressをこよなく愛し、より使いやすいアイテムへと発展させる」という目指す方向性はきっと同じであるから、これからも協力できなくても仲良くやっていければ本望である。

国産WordPressテーマの最高傑作を世界へ

別のところでも書こうと思うが、TCDが産声を上げた2010年当時は国産のWordPressテーマのレベルは低かった。実に低かった。海外勢に圧倒されっぱなしだったのだ。それはTCDも同じことで当時はデザイン面・機能面すべてにおいて海外テーマには叶わなかった。

当時国産WordPressテーマが低迷していた要因は様々なものがあるが、1つはWordPressのテンプレート業界においてジェネラリストがいなかったからではないかと思っている。例えば、当時のテーマ開発はプログラマーかSEOコンサルタントの主戦場だったのである。ゴリゴリの技術畑・マーケティング畑にいる人たちが泣き別れ状態でつくっていたのである。このこと自体に決して善悪はないし、彼らの活動が国産WordPressテーマの発展の起点となったことは間違いない事実だ。ただ、当時はまだデザイン、マーケティング、技術が三位一体となるテーマは国内には存在しなかったのも事実である。この点が海外勢に押されていた要因でもある。

では、TCDはどうか。早くから海外勢との具体的な格差には気づいていた。ただ、頭でわかっていても実現するのは難しい。今思えばしょぼいテーマを何作もリリースしながら、試行錯誤する日々が続いたのだ。ただ、リリースを追うごとに少しずつだが工夫は重ねていった。自分で言うのもなんだが、必ず前作を超えるという意気込みで毎回つくっていたため、今のTCDがあるのはその小さな知見の積み重ねなのである。

今現在、国産のWordPressテーマが世界的にどういう立ち位置にいるか。もちろん、言語的な市場規模の違いはあるものの、決して日本のWordPressテーマが世界に劣るものではないと思っている。最近は海外のWordPressテーマを見る機会もめっきり減ったが、率直な所感として、海外から学ぶという立ち位置ではないというのが正直なところだ。今はむしろこちら側から発信していく構えしか我々にはない。これは別に誰かに「勝った」「負けた」という話をしているわけではなく、我々はそろそろ「海外に遅れを取っている」という思考から脱却し、自分たちのモノづくりに自信をもっていい時期ではないかと。そう考えている。

少なくともTCDの開発者たちは日々自分たちがつくりたいものを形にする作業に熱中している。ただ、最初からそうだったのではない。しょぼいテンプレートをつくっていた時代もある。そんな短い歴史の変遷を「TCD GALLERY」でお見せできたら幸いである。

2018年9月某所にて TCD開発者の1人より

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