TCD第2世代を中心に開発に携わってきた奥田さんに話を伺いました。最近では技術的により高度な問い合わせにも対応できるよう、カスタマーサポート部門を強化するため、スタッフへの指南役としても活躍されています。
普段、デザインプラスでどんな業務に携わっていますか?
テーマの不具合修正や機能追加とそれに伴うアップデートリリース、カスタマーサポート、そして企業法務です。
開発に関わったテーマを教えてください。
思い入れのあるテーマ、お気入りのテーマは?
テーマのアップデートに関して、意識していることはありますか?
基本的に不具合の情報やお客様の不満、要望等は、カスタマーサポートから掬い上げることになります。様々なご意見をお寄せいただけるのは大変ありがたいのですが、要望等については、残念ながらすべてをアップデートに反映することはできません。お客様全体としてのUXを考慮して取捨選択するようにしています。不具合修正や機能追加で既存仕様を変更せざるを得ない場合もありますが、変更点を減らしつつ、いかに目的を達成するかが毎回難しいです。
アップデート対象となるのは、ユーザーに利益があり、かつ汎用性が高いものに限られると。ただ、それに該当しない要望に対して、現場でどう対処されてますか?
アップデートはすべてのお客様が対象、という位置づけのため、特定のお客様のご要望をアップデートに載せることは残念ながら多くはありません。が、アップデートに回されなかったご要望はすべて無視するのかと言えばそんなことはなく、できる限りカスタマイズをご案内するようにしています。カスタマイズはあくまでお客様ご自身に行って頂くものであるため、多少PHPやHTML/CSSに関する知識が必要です。また、あまりにも複雑で難しい内容になる場合は、カスタマーサポートではお受けできない場合もありますが、可能な限りわかりやすくカスタマイズ方法をご案内していくように心がけています。
カスタマイズの方法を教えることもあるわけですね。ただ、サポート対象外のこともフォローすると、業務量が一気に膨れ上がりますね。
確かに大変ではありますが、ご案内できる範囲をこちら側で限定することで対応しています。例えばテーマの仕様を大きく変更する内容や一定以上の時間や検証を要する内容はご案内できない、などです。
でも、折角ご購入頂いた商品です。楽しんでご利用頂きたいですし、そのためのお手伝いもしたい。また、カスタマイズをご案内することはデメリットばかりではないんです。サポートメンバーの知識を増やせたり、ニーズの傾向がわかったり、「TCD LABO」のコンテンツ拡充にも繋がっていくというメリットもあります。ユーザーの動向を吸い上げることで、社内に知見が蓄積されていく。十分我々にとってメリットがあることですね。
ただ、カスタマイズに関する質問に回答するのは基本的に特例ということでやっていますので、そこはご了承頂きたいです。
サポートを通して集まった情報を改善に役立てているわけですね。奥田さんはTCDをこれからどう発展させていきたいですか?
初期のTCDテーマは簡単に手早くかっこいいサイトが作れるテーマ、OOPS!くらいからはかなり高機能かつ汎用性があるテーマが増えてきたという印象です。
アップデートとそのための作業に関わっているので、「お客様のために改善する」という立場なのかなと考えています。その上で、「全体的なUXの向上」を第一に考えています。
今後の展望などありましたら教えてください。
UXに関する知見、視野を広げたいと思っています。
個人的に今後のTCDに期待することとして、他社では扱えないような「何かに特化したテーマ」や今後より重要性が増すであろう「インクルーシブデザインなテーマ」があります。前者は例えばスマホに最適化しまくったテーマ(PCは完全に度外視するくらいでいくとおもしろいかも)など、後者は一般的なユーザ(健常者)だけでなく障碍者や高齢者にとっても使いやすいサイトを構築できるようなテーマです。インクルーシブデザインは最近になって注目されつつありますが、少なくともWordPressテーマで「インクルーシブ」と銘打ったものは今のところ見たことがありません。
TCDは日本のWordPress業界をリードしていく立場にある、あるいはそれに近い役割を担えるところにあると思いますので、今後それを意識したテーマが生れると素敵だなと思います。